物語講座1

物語の作り方講座

物語の書き方講座 その1『実際に物語を書いてみよう』

・小説や物語(ストーリー)をどう書いたらいいかわからない…。
・物語の作り方の流れを大まかに知りたい。

 そんな疑問を抱く、まだ小説や物語を作ったことが無い人、経験が浅い人を対象とした講座です。

 中級者や上級者には物足りない部分があります。ご理解下さい。

 

とにかくまずは書いてみる

まずは 書いてみよう

 まずはとにかく書いてみましょう!

 えっ…書き方がわからないから、この記事見てるんだけど…?

 そう思う方がいるかもしれません。

 

 安心して下さい。学生時代の読書感想文や作文経験があれば十分書けます

 もし経験が無くても日本語が読めて書けるなら大丈夫です!

 

 経験してから知識を学んだ方が理解しやすいですし、効率も良いです。

 だから今まで物語を書いたことが無い。という人は少し不安だと思いますが、とにかく一度書いてみて下さい。

最初は出来栄えや細かいルールを気にする必要はない

 小説とか物語の作り方って色々ルールがありますよね。

 最初は一マス開けろだとかセリフの「」の終わりの部分に『。』を付ける必要はないとか。

 

 最初はそういう細かいルールはあまり気にしなくてOKです。

 とりあえず自分なりに小説とか物語だと思う物を書いてみて下さい

 

 作品の出来不出来も気にしなくてOKです。

 最初はとりあえず書ければ100点満点です。

 

 初めて物語を作る時は作るだけで精一杯です。

 下手にルールを順守しながらやろうと思うと、苦しくて楽しくありません。

 細かい書き方のルールは、やりながら身に付けたり慣れてきてから考えましょう

 

 最初からルールや出来栄えなどを気にすると自分の不出来さから、小説自体書かない・書くのが嫌になる可能性が高くなります

 だから最初はとりあえず書いてみるか―ぐらいな気軽な気持ちでやって下さい

 

 

 ただ本当に何も知らない。もしくは理論から入る人は、最低限の知識やルールは押さえて下さい。

自分の日常を物語化してみよう

 そういうわけで、まずは自分の日常を物語化してみましょう。

 つまらない物語になりそうなら、めちゃくちゃ盛ってもかまいません。

 

 自分に興味がない方は、一番自分が興味があって詳しい物を題材として下さい。

 最初はとりあえず、原稿用紙一枚(約400字)をある程度埋められたら上出来です。

 

 唯一気を付けるべき点は、俺とか彼とか私などの呼称(人称)でしょうか。

 それ以外は自分の書きたいように書いてみましょう!

 もし人称についてもっと詳しく知っておきたいと言う方はこちらの記事を参考にして下さい。

 

 期限は一日~一週間が目安です。

 よくわからなければ自分の好きな作品や、下記の例を参考に挑戦して下さい。

 今日、私は午前五時に目覚めた。いつも大体七時に目覚めるので、随分と早く起きたものだと思う。

 それもこれも全てあの抜けた声で鳴く奇妙なカラスのせいだ。いつからウチの近くに住み着いたのか分からないが、決まって早朝に気の抜けた声で鳴く困ったヤツだ。

 今までの季節であれば、窓を閉め切ることでそれなりに程度軽減することが出来たが、とうとうお中元を貰える以外はまったく嬉しくない季節が訪れてしまった。

 
 最近は一日中エアコンをつけている家庭も増えてきたというし、ウチもそろそろ昔のスタイルではなく、今時のやり方を取り入れるべきだろうか。

 今後の展望について頭を巡らしながら、少し逡巡した後にとりあえず私は窓をゆっくりと閉める。

 そしてしばらく悩んだ末にエアコンをつけてから、再びベッドに身を横たえた。

例2

 彼は今、絶体絶命の状況下に置かれていた。

(畜生!!! あと一歩なのに!!)

 彼は下腹部を押さえ額から脂汗を滝のように流しながら、自身の目の前に立ちふさがる扉の中腹部分にある赤色の表示を睨みつける。

 そこには白く角ばった文字で『使用中』と文字が刻まれていた。

 扉は成人男性が思いっきり押せば無理やりにでも開けそうな簡素な作りの物だ。だがいくら緊急事態とはいえ、一般的な常識を持つ彼にとって無理やり押し通るという選択は取ることは出来なかった。いやそもそも今この状態でそんな力むような行為をしてしまえば、自爆してしまう可能性がある。

(こうなったら……!!!)

 彼はトイレの中の見回し誰もいない事を確認してから、ゆっくりとトイレの奥にある小便器に目を定めた。

 覚悟を決めた彼は喉を大きく鳴らしながらつばを飲み込み、一歩一歩自分の救世主か破滅へ導く悪魔にもなり得るかもしれない、不浄を受け入れるために作られた白き器へと歩みを進めていく。

(ん? …これはもしかして…開いている…?)

 ふと彼は、トイレの一番奥の扉が少し開いていることに気づいた。扉の中ほどを見るが先ほど見た扉と違い、侵入者を阻む表示もない。

(勝った!! 俺は勝利したんだ!!!)

 これで危険を犯す必要はない。目の前の扉を見てそう確信した彼は、今までの緩慢とした動きから考えられない程の機敏な動きで、一番奥の扉を開けた。

(べ、便器が……無い…?)

 開けた扉の先には、彼の身体を苦しめる茶色い悪魔を産み落とす為の器が存在しなかった。代わりに使い古した感じのする妙に茶色いタオルやデッキブラシやホースなど、今の彼にとって何の救いにもならない道具が封じ込められている。

(お、終わった……)

 己の終焉を悟った彼は、何処かで渦巻くように流れる水音を聞きながら、倒れるようにしてその場で気を失った。

悪い例

僕は今日学校へ行ったんだ。でも授業は相変わらず楽しくないし何のために勉強しているのかさっぱりわからないからだと思うだけど、先生やパパやママに何で勉強するのって聞いても将来のためだって言うだけで全然参考にならないんだ。

俺はそんな両親や教師の影響…いや結局俺のせいだと認められない弱さが原因なんだろうけど、碌な仕事に付くことが出来なかったし何のために生きているのか全くわからないし、でも最近そんなオレにもようやく守るべきものができたんだ。彼はきっと明日から心を入れ替えて日常を過ごすことだろう。

文章が繋がり過ぎている

 文章が繋がり過ぎて読みづらいですね。

 〇や句読点で適度に区切る。~だけどとか~しで変に文章を続けず一旦終わらせる。

 そういったことを意識すると、文章がもっと読みやすくなります。

呼称・視点が統一出来ていない

 最初は僕だったのに突然、俺とかオレになってますね。

 一応段落が切り替わっているので、もしかしたら前半部分は過去の回想だから途中から変わったのかな?

 そんな風に解釈出来なくもないですが、それならもっと段落を開けたり口調を変えたりと、わかりやすくする工夫が必要になります。

 

 あとは最後に急に彼…となっています。

 分かる人には分かると思いますが、一人称で書いた文章が突然三人称になっていますね。

 一応最後と最初は人称を変えても混乱しない部分ですが、やはりこの場合も段落を変えたりするなど、最低限読者に理解しやすくする工夫が必要です。

改善例

 僕は今日久しぶりに学校へ行ったんだ。でも授業は相変わらず楽しくない。きっと何のために勉強しているのか、さっぱりわからないからだと思う。

 だから先生やパパ、ママに『何で勉強するの』って聞いたんだけど、みんな口を揃えて"将来のためだ"って言うだけで、全然役に立たなかった。

 

――――

  

 俺はそんな両親や教師の影響…いや結局自分のせいだと認められない弱さが原因だったんだろうと、今では思う。小中と嫌々義務教育を受けた後、高校を中退した。

 こんな学歴では仕事を選べるわけもなく、親に紹介された職場に就職。だが結局そこも数年で辞めてしまった。

 

 二十歳を過ぎてからの数年間は目の前の現実を理解したくなくて、酒に溺れて何のために生きているのか全くわからない状態だった。今思うと本当に無駄な時間を過ごしていたと思う。

 だが、そんな俺も三十を過ぎてやりがいのある仕事に出会い、守るべき家族も出来た。これからは心を入れ替えて日々を大切に過ごしていこうと思う。大切な家族と俺を見捨てずにずっと見守ってくれた両親と共に。

改善ポイント

 文章に区切りが無さ過ぎたので適度に区切って、句読点なども意識して入れてみました。

 過去の回想から今の時系列に移る際に段落を開けたので、悪い例よりかは読者に分かりやすい構成にはなっているはずです。

 

 最後の文章を彼のままにするなら、段落を開けた上で書けば問題ないと思います。

 細かい部分の違いや言葉の違いは完全に好み次第ですね。

 

 これが絶対正解ってわけではなく、人の数だけ正解があります。

 自分が納得できる作品を作りましょう

書いた内容をチェックしよう

書いた内容をチェックしよう

 書いた話は後で必ず誤字脱字がないかチェックしましょう。

 この作業は校正とか推敲などと言ったりします。

 

 いくら物語が素晴らしくても、誤字脱字があまりにも多すぎると作品の良さが一段階、下手をすれば二段階下がってしまうことがあります

 

 自分が読者だったとして考えて下さい。

 一か所や二か所くらいの誤字脱字ならまあ…仕方ないかな。とまだ笑ってられます。

 でもそれが、三か所…四か所と次々と続くと笑っていられるでしょうか? 難しいですよね。

 

 最初は誤字脱字のチェックのみで十分です。

 一応、余裕があったら表現などを気にしてもいいですが、最初は誤字脱字位を気にするくらいが疲れなくて丁度良いです。

次の講座へ進む基準

 とにかくまずは何よりも小説や物語を書いてみた。という経験を得ることが大事です。

 それだけで次に作る時のハードルが大幅に下がります

 

 今回は以下の二点が達成出来ればクリアです。

  • とりあえず自分の日常を小説・物語化出来た。
  • 書いた小説の誤字脱字を確認した。

 達成出来なかった場合は、今の自分に何が足りないのか一度考えてみましょう。

 そして足りない技術や知識が身に付いたと思ったら、また挑戦しましょう!

 上記二項目が達成出来たのなら次の講座に進んで下さい。

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