世界観や設定はある意味、物語の道標となるものです。すぐにストーリーを作りたくなる気持ちはわかりますが、まずは大まかでも構わないので、アイデアを元に世界観や設定を考えて下さい。
今回の講座で覚えて欲しいポイント
- 世界観や設定が必要な理由
- 世界観や設定の作り方の種類(パターン)
世界観・設定がないと物語が破綻する
よし! アイデア思い浮かんだから早速話考えるぞー! と行きたいところですか、まだ早いです。
物語を実際に書き始めるには、世界観と設定が必要不可欠です。
よっぽど具合的なアイデアかノンフィクション作品以外は世界観や設定を考えないと、高確率で途中で物語が破綻します。
何故そうなるのかは項目別で解説します。
ルール無用の無法地帯になる
世界観や設定は現実で例えると物理法則や憲法、法律、ルールみたいなものです。
ですから、物語で世界観や設定がないとやりたい放題の無法地帯になってしまいます。
一見良いように思えますが、何でもアリになると桃太郎のお供が猿やキジ、犬じゃ恰好つかないからオーガやフェニックス、ケルベロスにしよう。みたいな極端な話がアリになってしまいます。
それでは作者も読者も困りますよね。お前どっから出てきたんだと。
ギャグ作品ならそれもアリかもしれませんが、普通の作品だと興覚めです。
そんな事態を防ぐためにも、物語のルールである世界観や設定が必要になるわけです。
方向性がわからなくなる
世界観や設定はストーリー展開や登場人物の歩み方にも影響を及ぼします。
これはスポーツなどの競技ルールに置き換えると、わかりやすいかもしれません。
わかりやすい例が体操やフィギュアスケート、スノーボードなどの採点競技ですね。
採点競技は基準もありますが、採点競技は採点基準の変更によって競技の方向性が大きく変化する場合があります。
ですが、それで良くも悪くも競技の方向性が決まる側面があります。
それと同じように物語の場合、世界観や設定がないと良くも悪くも、どういう風にストーリー展開をするか登場人物を動すかというのがよくわからなくなる場合があります。
一見、世界観や設定は制限だけを与えるように見えますが、変な道に逸れるのを防ぐ道標的な役割もあります。
ですので、何故か物語が変な方向に行っちゃう。という人は、多少アバウトでも構わないので世界観や設定を決めることをオススメします。
作者の都合の良い世界になる
世界観や設定が定まってないと、その場その場の対応で何か問題がある度に、じゃあこうしよう。ああしよう。とその場の気分で問題に対処することになります。
その匙加減が一定の基準に基づいて、毎回出来れば良いのですがやっぱり難しいです。
そしてどんどん度が過ぎて行ってしまい、最後に出来上がるのが作者の都合の良い世界です。
こちらもスポーツで例えるとわかりやすいですね。
例えばゴルフ。
ゴルフは紳士のスポーツなどと言われていますが、結果の報告が自己申告であることがそう言われる理由の一つです。
ですので、自分であらゆる状況に対応出来るようにする為、『いやいやそんなのあり得ないから』と思うようなことまでルールに制定されています。例えば、グリーン上のバナナの皮は退けて良いけど、バンカーでお亡くなりになっているカニは駄目とかですね。
他のスポーツには、大抵審判がいます。だからイレギュラーなことが発生すると審判が判断を下すことになりますが、そういう事態になった場合、どういう結論になっても賛否両論を生むことが多いです。
創作の場合でもイレギュラーな事が起きると、基本的に賛否両論を生みます。
とりあえずは作者(神)が考えたことだから…と理性では思ってくれますが、心の中にはしこりみたいなものが残り続けます。
世界観や設定作りの種類
世界観や設定の作り方には次のようなやり方があります。
- アイデア(ストーリー)を膨らませつつ、世界観や設定を作る。
- アイデア(ストーリー)を元に世界観や設定を作る。
- まず世界観や設定を作る。
- 現実や創作物をベースにする・一部変換して作る。
多少細かい違いがあったり、併用したりすると思いますが、だいたいこの4パターンが多いのではないでしょうか。
それでは種類別に解説していきます。
アイデア(ストーリー)を膨らませつつ、世界観や設定を作る
筆者は基本このやり方で世界観や設定を考えています。というのもアイデアを膨らませる過程で、世界観や設定について決まってくる部分があるからですね。
といってもこの作り方では、とりあえずこんな感じにしておくか。という程度で、最終確定はアイデアをしっかり考えた後になることが多いです。
この作り方の注意点は、あくまでメインはアイデア作りであって世界観や設定はついでという事です。
あと先ほど書いたように、とりあえずで作った世界観や設定なので詰めが甘い事が多いので、基本的には次の項目『アイデアを元に世界観や設定を作る』と併用する形になります。
アイデア(ストーリー)を元に世界観や設定を作る
簡単なアイデアを元に作るパターンと、しっかり考えたアイデアを元に作るパターンの二種類があります。
そのため、アイデアが煮詰まってきた際にも使うやり方ではあります。
認識的には、世界観や設定がメインでアイデアがついでのやり方です。
何故分けるかというと、そういう認識を持たないと作業がごっちゃごちゃになって、世界観や設定がいつまで経っても定まらなくなる可能性があるからです。
どんな分野でもそうですが何か軸になる物が無いと、方向性がブレやすいです。
ですので、いつまでもストーリーや設定が固まらない。という場合は、どちらかの完成度を一度しっかり高めてからもう一方の要素を考えるようにするやり方がお勧めです。
まず世界観や設定を作る
言葉通り先に世界観や設定を考えるやり方です。
感覚としては、主人公が決まっていないオープンワールドゲームと似ているでしょうか。
舞台を用意してどういう物語を紡ぐかは、後で作っていきます。
現実や創作物をベースにする・一部変換して作る
究極的にはみんなこの作り方でやってます。
とりあえず定義的な物は一旦忘れて、この時代や国とかあの作品を…といった感じで既存の物を参考に構築していく作り方です。
参考の程度次第では、ほぼ考える必要すらありません。
最近はあまりにも似通った世界観や設定の作品が多く、テンプレ作品と言われている物すらあるくらいです。
テンプレ世界観・設定でも良い作品は作れる
どうしても世界観や設定を考えることが苦手な人は割り切ってストーリーの部分で勝負する。というのも全然アリです。
例えば、現実に生きている人は世界観や設定を共有していると言えます。
ですが、その中で波乱万丈な人生を送る人もいれば、平凡な一生を送る人もいます。前者の人生なら注目する価値があると思う人は多いでしょうが、後者の人生はほとんど誰も注目しないでしょう。
つまりそういう事です。世界観や設定は結局のところ、作品を構成する一部の要素でしかありません。
何をどう見せるかの方がとても大切です。
まあもちろん、個性的な世界観や設定の舞台で魅力あるストーリーが展開出来たら、それが一番良いのは言うまでもないことではありますが。
世界観・設定を決める要素と重要度
アイデアの中に含まれる舞台や時代、人、物などが特に大きく影響を及ぼす要素になります。
重要度は舞台>時代>人≧物です。
基本的には重要度が高い物から考えていく方がお勧めです。
それは人や物が先だとそれに合わせて世界観から舞台、時代などの設定まで考え直す作業が生まれる可能性があるからですね。
なぜなのかは、会社や学校などの組織に置き換えるとわかりやすいかもしれません。
例えばそれなりに上手くやってきた会社や学校があるとします。そこに新しい人が2人入ってきました。1人はルールに従ってくれる人で混乱なく迎え入れることが出来ました。ですがもう一人は以前に所属していた他の会社や学校のルールで行動するどころか、改革やルールの変更を要求してきました。
ここで改革やルール変更をすると大混乱が生まれますが、切り捨てれば混乱は生まれません。
絵で例えると、先にディティールから描いてミスすると修正が非常に面倒ですが、ラフからなら比較的楽。最悪描き直しちゃえばいいし。という感覚でしょうか。
ここで言いたいのはどっちの対応が正しいかではなく、どっちが楽かという話ですね。
別にどれから考えても最終的に出来上がれば問題ないと言えば問題ないのですが、あえて苦労したくないなら考える順番はとても大切です。
まとめ
最初は色んなパターンの作り方をやってみて、自分に合うものを探しましょう。
まだ不慣れな人は現実や創作物をベースにしつつ、世界観や設定を構築するやり方がお勧めです。
次の講座では、実際にアイデアから世界観や設定を作ってみたいと思います。